「みんなのキンビ」プロジェクト
「みんなのキンビ」プロジェクトって?
「みんなのキンビ」プロジェクトは、秋田県立近代美術館が核となり、様々な機関や市民の皆さんと連携し、秋田にくらす誰もがアートを楽しみ、アートを通じてつながる地域づくりを目指す取組です。
2024年度の取り組み
2024年度開催の取り組みを随時掲載します。
2024年度 キンビコミュニケータ募集
※2024年6月10日締め切り
「みんなのキンビ」プロジェクトの主体となって活動する「キンビコミュニケータ」(KC)。秋田にくらす人やテーマと結びつきながら、アートを通して生まれるコミュニケーションを大切にして、人と人、人と作品、人と地域をつないでいく存在です。
「みんなのキンビ」プロジェクト3年計画の2年目となる今年もKCを募集しました(6月10日締め切り済)。
キンビコミュニケータ キックオフイベント
2024年6月16日(日)13:30~15:30
「みんなのキンビ」プロジェクトおよびキンビコミュニケーター(KC)の設置理由について確認したのち、秋田県生涯学習センター・柏木睦氏(副主幹(兼)チームリーダー)をファシリテーターに生涯学習センターでの先行事例、「熟議」のスタイルを学びました。
4グループに分かれての「熟議」では、これからKCが活動するにあたっての目標を検討しました。
第1回「みんなのキンビ」プロジェクト実行委員会
2024年7月4日(木)13:30~15:30
前年度の実施内容・今年度の実施案を共有し、改善点や方向性を実行委員会内で話し合いました。その後、今年度から当館をモデルケースとして展開している「メタバース×キンビ」を体験、プロジェクトへの応用案を検討しました。
第1回「みんなのキンビ研究会」
2024年7月14日(日) 13:30~15:40
講演 13:30~14:30
「ミュージアムから生まれるアートコミュニティ」
講師 伊藤達矢氏(東京藝術大学社会連携センター教授)
グループディスカッション 14:30~15:40
場所 秋田県立近代美術館 6階研修室
対象・参加料 高校生以上・無料
申し込み
3つの内のどれかでお申し込みください
①電 話 0182-33-8855
②メール akitamma@rnac.ne.jp
③2次元コード(googleformに遷移)
第2回キンビコミュニケータ講座
「熟議 誰もがキンビで楽しむためには」
2024年6月27日(土)13:30~15:30
熟議テーマ 「誰もがキンビで楽しむためには」
ファシリテーター 柏木睦 氏(秋田県生涯学習センター)
場所 秋田県立近代美術館 6階研修室
「誰もがキンビで楽しむためには」をテーマに、キンビコミュニケータとして「やってみたいこと」「挑戦してみたいこと」について熟議の形式で考えました。
第3回キンビコミュニケータ講座
「まなぶ:アートコミュニケーションについて知ろう」
2024年9月1日(日)13:30~15:50
講座(講演+熟議)
講演テーマ「アートコミュニケーションについて知ろう」
講師 伊藤達矢 氏(東京藝術大学社会連携センター教授)
熟議ファシリテーター 柏木睦 氏(秋田県生涯学習センター)
場所 秋田県立近代美術館 研修室
第3回目のキンビコミュニケータ講座は、講演と熟議の二部構成で行いました。前半は「まなぶ アートコミュニケーションについて知ろう」をテーマに、東京藝術大学社会連携センター教授 伊藤達矢先生からご講演いただきました。台風10号の影響があり、急遽オンラインでの講演となりましたが、高校生から70代までの幅広い世代のキンビコミュニケータ14名の学びの場とすることができました。講演後はキンビコミュニケータによるグラフィックレコーデイングをもとに講演内容について意見交換し、より多様な視点から講演について振り返ることができました。後半は秋田県生涯学習センターの社会教育主事の皆さんからファシリテーションしていただき、「キンビコミュニケータとしてやってみたいこと」について熟議を行いました。今回は質より量!とにかく「やってみたいこと」を書き出し、なんと108もの「やってみたいこと」が書き出されました。 伊藤先生からは、東京藝術大学と東京都立美術館の「とびらプロジェクト」のたくさんの実践について動画を交えながら紹介いただくとともに、「『見る』=光を捉えることとは限らない。心の網膜で作品を捉え、『見る』ことができるようになるにはどうすればいいのかを考えられるようになるのがコミュニケータである」とのお話しいただきました。キンビコミュニケータの皆さんからは「『見る』ことの解像度を上げられるようにしたい」、「『見る』ことができるように、様々な人との対話が生まれるような活動を考えたい」、「美術館をひらく=アクセスの良さや敷居を下げること、と考えていた自分の考えの方向性に変化をもらしてくれた」、「美術館は『完成されたもの』というイメージがあったけど、肝臓と似ている働きがあると聞いて、何かを完成されるための1つの通過点のようなものだと思えるようになりました」などの感想があり、今後、「キンビコミュニケータ」としての活動に向かう気持ちを新たにすることが出来た一日となりました。
第2回みんなのキンビ研究会
「アート×高齢者×美術館」2024年版
2024年9月14日(土)
10:30~11:30 鑑賞体験見学(ARTRIP)
13:30~15:50 研究会(講演+グループディスカッション)
講演テーマ「認知症のための非薬物療法としての対話型鑑賞「ARTRIP」の実践とその効果」
講師 林容子 氏(一般社団法人アーツアライブ代表)
場所 秋田県立近代美術館 6階展示室および研修室
参加料 無料
第2回目となる「みんなのキンビ研究会」は、講師に一般社団法人アーツアライブ代表の林容子氏をお迎えして開催しました。午前の部は、認知症の方を含むご高齢の方を対象としたアート鑑賞体験「ARTRIP」、午後の部は、「認知症のための非薬物療法としての対話型鑑賞『ARTRIP』の実践とその効果」をテーマに講演会とグループディスカッションを行いました。
7名の方にご参加いただいた「ARTRIP」では、6階展示室で開催されているコレクション展「水辺の風景」の作品の中から福田豊四郎の「夏郷」と「水辺の夏」、佐々木裕久の「幻視断層」の3点を鑑賞しました。参加者の皆さんは、初めこそ緊張されている様子がみられましたが、「水辺の夏」に描かれた川で遊ぶ少年たちに幼い頃の自分の姿を重ね、思い出を話したり、「幻視断層」では同じ作品を鑑賞しているにもかかわらず、それぞれの感じ方の違いに驚いたりなど、時間と場所を超えるアートの旅「ARTRIP」を楽しみました。「ARTRIP」終了後には、見学していた方も絵の前に集まり、林容子氏や参加者の方と作品について語り合う姿がとても印象的でした。午後の部には、「公益社団法人 認知症の人と家族の会」の方や高齢者の活動に携わっている方、高齢者施設を経営されている方、対話型鑑賞に関心のある方など、多様な方にご参加いただきました。講演会では、「ARTRIP」の概要として、ニューヨーク近代美術館の全面的な協力のもと2011年から全国の美術館や病院、介護施設等で実施している内容やその効果についてお話いただきました。特に「ARTRIP」の効果については、国立長寿医療研究センターによる医学的知見、仙台富沢病院での実践など、映像を交えながら分かりやすく説明していただきました。
グループディスカッションでは、これまでの高齢者を対象とした活動との違いや、アートを取り入れることの意義などについて、また、今後の美術館に求められる役割などについても積極的に意見を交わしました。特に、高齢者施設を経営する方からは、「実は半信半疑で参加したが、(実際に施設を利用する方の「ARTRIP」での姿を見て)普段はほとんど話さない方が、絵を見て感じたことを話す様子を見て大変驚いた。アートの力を感じた」と感想をいただきました。
今回の「みんなのキンビ研究会」を通じ、改めてアートには人と人をつなぐ力、変化をもたらす力があること、美術館が年齢や障害の有無等にかかわらずみんなに開かれた場所であることの必要性について考えることができました。
2023年度 報告書
2023年度から始まった「みんなのキンビ」プロジェクト。キンビコミュニケータの募集から、特別展「大根ビネーション展」にいたるまでの活動の記録は、こちらの報告書からご覧いただけます。ダウンロードの上ご覧ください。
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Tel 0182-33-8855 Fax 0182-33-8858
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